生物学研究者の言いたい放題ブログ

とある大学の生物学研究者が書きたいことをひたすら書くブログ

職位を見ないでくれ

大学教員をやるにあたって職位は非常に重要である。正直、教員になるまで職位なんてどうでもいいと思っていた。しかし実際には教授か准教授か助教か、非常に重要になることがある。職位というものは水戸黄門の印籠のような役割を果たすことがあるのだ。最近…

搾取と負の連鎖に対する対策が分からない

今日のテーマはタイトルの通り。研究室における搾取と、その搾取の連鎖、さらにはそれらの搾取にどう対策したら良いのか分からないということである。例えばよく問題になるのは「国費留学生の面倒をみる、借金まみれの日本人大学院生」という構図。国費留学…

人真似の批判はかっこ悪い

どうもラボのボスや立場が上のスタッフの言動をマネして何かを批判する大学院生が多いように感じる。「○○というジャーナルはクソ」 「○○研っていつも○○ばっかりやってて面白くない」 「○○研って流行りの研究ばかり追いかけてる」そういう学生さんは、ちょっ…

剽窃の定義って何だろうか? 2

以前、剽窃と言っていいのかどうかわからない論文の査読が来たということを書いた。剽窃の定義って何だろうか? - 生物学研究者の言いたい放題ブログ要約すると、 査読した論文に、スペースが無く、複数の単語がつながっている文章がたくさんあった。 ググっ…

学振DCの意義を問う

博士課程に進学する人の憧れ、学振DC。通称学振。これは月に給与が20万ももらえる素敵な制度で、さらに研究費もつくというスペシャルな待遇である。「学振持ち」なんて言葉があるが、学振が無いと収入がゼロになる(RA、TA等を除く)ので、これがあるかない…

研究と競馬1

研究生活と競馬のレースは似ている。先行策が得意な馬もいれば、豪快な追い込みが持ち味の馬もいる。コツコツやるのが得意な人もいれば、ガッと集中してやるのが合っている人もいる。すんなり逃げると持ち味を発揮するけど揉まれるとダメな馬もいれば、併せ…

ライフイベントとかライフワークバランスとか2

男性研究者は直接的な妊娠、出産がない。しかし結婚と子育てというライフイベントはある。これらのライフイベントがどう研究に影響するのか?ちなみに自分の場合、嫁さんは専業主婦なのでそのつもりで読んでいただきたい。まずは結婚。実体験からも周りを見…

海外学振に関する私の経験とイメージ

少し前(多分海外学振の締切前くらい)から、海外学振に関する話題を色々なところで見る。実は私は海外学振経験者であるが、どうも昔のイメージが違って評判が良くないようだ。私は海外学振にはすごく助けられたというか海外学振が無かったら今の自分は無か…

理系研究者はモテない?

私は既婚者だが、よく学生に真面目(?)な相談として理系の大学院生(男)はモテない、彼女できないと相談される。確かに客観的に見て理系大学院生(男)はモテない。しかし、これは明らかに大学院生(男)の努力不足によるものである。研究と同じく、適切…

剽窃の定義って何だろうか?

今日も査読で微妙な論文に出会ったのでとりあえず情報共有。ちなみにタイトルに対する答えは調べてすらいないので、是非教えていただきたい。少し前に査読依頼があったのでとりあえずabstractを確認して引き受けた。そして今日、査読をしようと思って論文を…

科研費の敗因を探る

あの日から5日が経った。未だにシステムの不具合ではないかと期待している(嘘)一方、ショックも過ぎ去り来年度の科研費のリベンジのことで頭が一杯である。しかし「負けに不思議の負けなし」という野村克也氏の言葉もある。少し前にフミコフミオ氏のブログ…

「査読で不正を見破ったときの話」について1

前回、前々回と査読の時に不正を偶然見つけたという体験記を書いた。査読で不正を見破ったときの話1 - 生物学研究者の言いたい放題ブログ 査読で不正を見破ったときの話2 - 生物学研究者の言いたい放題ブログ一部の読者である同業者の方や、検索で来た同業者…

結構きつい論文掲載費

多くの雑誌では論文が掲載された際に論文掲載費が必要となる。ポスドクまでは論文掲載費を気にしたことが無かったのだが、自前の研究費のみで研究をするようになってからは論文掲載費に対してかなりシビアになった。論文投稿先を考えるときに「論文掲載費」…

科研費の無念、リベンジに燃える

ネガティブなことは書きたくないので、今日から一年間のリベンジのために記しておく。タイトルの通り今年度の科研費不採択であった。言い訳は色々あるが、とにかく悔しい。もう既に気持ちは切り替えたので来年度のリベンジに燃えている。問題は今年度の研究…

反面教師 in 大学

ようやく年度末を乗り越えて新年度に突入する。年度末は色々あってそわそわするが、今年は比較的平穏な年度末だった。しかし明日は科研費の結果が出る。本当に当たってくれよという思い。さて、今日はTwitterでも少し書いた大学での反面教師を紹介する。若手…

査読で不正を見破ったときの話2

前書きは省略。前回の記事を参考にして欲しい。 2つめ、3つめのケースはコピペ。つまり剽窃だ。 2つめのケースでは少なくとも1段落丸ごとコピペされていた。不正を感づかせたポイントはただ1つ、単語間にスペースがなかったり、不自然な改行があったり。もは…

査読で不正を見破ったときの話1

査読は面倒だ。最近はいくつかの雑誌でその年のreviewerリストを公開しているようで、それなりの雑誌に名前が載っているとうれしいのだが、それ以上でもそれ以下でもない。ただ現状では査読システムがないとうまく科学が回らないのも事実で、科学に少しでも…

より生産的な一日にするために

今日という一日をより生産的な一日にするために、一日のうちの無駄な時間をカウントしてみた。 Yahooニュースなどの時事ネタ閲覧:15分くらい TwitterとブログとFacebook閲覧:10分くらい ラボから事務への往復x3:15分くらい 自販機まで飲み物を買いに行く…

ライフイベントとかライフワークバランスとかその1

賛否両論あるとは思うが、自分の視点から書く。最初から言っておくと特にオチは無い。公開が遅れたのは、長文を2分割していたことと、色々偏った思想の人なんじゃないかと思われかねない文章が所々あったので修正していたことによる。直接話せば誤解も簡単に…

川崎フロンターレはなぜもっと人気が出ないの?

突然のサッカーネタ。昨日、久々にJリーグの試合をまともに観戦した。川崎フロンターレ vs 名古屋グランパスである。私はこのどちらのチームでもなく、一昔前からはガンバ大阪を応援している。が、川崎フロンターレは超攻撃的なので見ていて面白いのだ。一昔…

実験中に他ごとを考えるべからず

このタイトルにあることをよく学生に言い聞かせている。実験のデザインや手順はすべて実験前に設定して紙なりノートなりに書き出して、実験中は実験操作のみに集中すべきである、と。なぜなら実験中に少しでも他ごとを考えるとミスをする確率が飛躍的に高ま…

ハラスメントは双方向?

つなぽんさんのブログを読んでいて、相変わらず良い視点から書いていると納得。 tsunapon.hatenablog.com 自分もこんなに面白い文章をうまく書けたらなー、と思いつつも殴り書きのように書いている。さて、上記のように世の中にはまだまだハラスメントを平然…

やる気が出ないのは言い訳

「やる気が出ない」とは最悪な言い訳であり、そんなことを言っている暇があればやる気を出せといいたい。しかし、今の自分は「やる気が出ない」。もう言い訳でも最悪でもいい、やる気が出ない。裁量労働制だからといってやる気が無いから帰るなんていうこと…

ORCIDは意外に面倒

最近、ORCIDという言葉をよく聞く。論文を投稿する際などにもこのORCIDを入力することが推奨されるのだが、今まで面倒だったので無視してきた。しかし、どうやら多くの科学論文出版社でこのORCIDが使用されているようである。少なくとも最近投稿した某雑誌で…

EndNoteメモ

「Insert Citation」をしようとしてもなぜか生のフィールドコードっぽい物しか出ず、うまく働かない場合の対処法。 「Update Citations and Bibliography」を選択。 もう一度「Insert Citation」。 これだけ。これになかなか気づかずに、再起動したり、過去…

「xxxの場合はご返信下さい」メール

「xxxの場合はご返信下さい」というメールを受信すると複雑な気持ちになる。メールの送信者はメールが届いていない、あるいは読まれていない可能性を考えているのだろうか?つまり受信者が「xxxの場合」にもかかわらず何らかの理由でメールを読めなかった場…

スマホは研究革命ツール

スマホは研究、特に生物学実験において革命的なツールである。今の自分の実験などはスマホなしではありえないと言っても過言ではない。 良質な写真や動画が簡単に撮れる。 ほぼこれに尽きる。写真や動画が簡単に撮れるので、ちょっとしたメモ代わりや簡易的…

PubMedとGoogle Scholarの使い分け

論文検索サイトはたくさんあるが、最も多くの人が使うのがPubMedとGoogle Scholarであろう。PubMedの単数形か複数形かで検索結果が変わるというクソみたいな仕様は置いておいて、どちらもとてもお世話になっている。学生はどこかの講義か実習かで論文検索サ…

ミニマリストに対する純粋な疑問

最近、ブログとTwitterを始めて気になったのが「ミニマリスト」達である。その呼び名のダサさはさておき、物を極限まで減らしたい人達のことである。彼らが目指しているところが何なのかは知らないし、知ろうとする気すらない。しかし、すぐに部屋が散乱して…

TimeTreeアプリは学術的なアプリである

今日、かなり真面目な調べ物をしようと思い「Timetree」という単語をググった。本当にアクセスしたかったサイトは↓のサイトである。 TimeTree :: The Timescale of Life 検索窓に分岐年代(進化の過程でどれくらい昔に共通祖先から別れたのか?)を知りたい…