PubMedとGoogle Scholarの使い分け
論文検索サイトはたくさんあるが、最も多くの人が使うのがPubMedとGoogle Scholarであろう。PubMedの単数形か複数形かで検索結果が変わるというクソみたいな仕様は置いておいて、どちらもとてもお世話になっている。学生はどこかの講義か実習かで論文検索サイトとしてPubMedを習うらしく、私がGoogle Scholarを使っていると、どうしてGoogle Scholarを使うのですか?と聞かれる。おそらく多くの生物学、医学者はその理由を知っているだろうが、ラボで聞きたいことも聞けずにこっそり検索する学生達のためにこのブログに記しておく。相も変わらず教育者の鑑である。
私の場合、Google Scholarが好きなわけではなく、PubMedと使い分けている。
PubMedの特徴
- とりあえず昔から使っている安心感(昔とレイアウトなどは変わったが)がある。
- Abstractで表示すると、検索でヒットした論文のabstractを同時に見ていけるので、情報のスクリーニングが楽。
- 検索が厳格(例えば単数形と複数形で結果が変わってくる)なので検索漏れというか、調べたい論文がヒットしないこともある。
Google Scholarの特徴
- 論文の全文が検索対象となっている(多分)ので実験の方法(methods)を調べやすい。
- abstract表示機能が無いので、いちいちヒットした論文をクリックしないといけない。
- PubMedよりサイトが軽い。
- 検索漏れが少ない。
- 検索ノイズが多い。
PubMedとGoogle Scholarの使い分け
私はとりあえず実験方法以外の調べ物はPubMedで、実験方法はGoogle Scholarで調べている。さらにPubMedでは不十分と思ったときにGoogle Scholarを補助的に使っている。しかし、Google Scholarは上記の通り検索ノイズも多く、莫大な数の文献がヒットするため一つ一つ文献をスクリーニングする気がなくなる。
Google Scholarが始まった頃にはいつかGoogle ScholarがPubMedに取って代わる日が来るのではないかと思ったが、どうも使い勝手がいまいち(例えば一度に最大20までしか表示できないこと、abstractを同時に見ることができないことなど)で、まだまだPubMedに取って代わる日は来ないようだ。