生物学研究者の言いたい放題ブログ

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搾取と負の連鎖に対する対策が分からない

今日のテーマはタイトルの通り。研究室における搾取と、その搾取の連鎖、さらにはそれらの搾取にどう対策したら良いのか分からないということである。

例えばよく問題になるのは「国費留学生の面倒をみる、借金まみれの日本人大学院生」という構図。国費留学生とはいわゆる日本国が授業料から生活面まで金銭的に援助している外国人留学生である。そして借金まみれの日本人大学院生とは奨学金という名の借金を抱えている大学院生である。

どうであれ、ラボに留学生がいると日本人大学院生が面倒を見なければいけないケースが多い。これがまた結構な負担である。多くの場合、結局は優しい学生、面倒見の良い学生が損をする(時にそのときの人間関係が一生役に立つときもあるが)。困っている人を放っておけない人が損をするのだ。

そしてこのようなケースにおいて、決まってボスは「うまく研究室がまわっている」と思っている。もちろん、意図的に学生を成長させる意味でうまく仕事を振ったり、色々な意味で外国人留学生の世話をした学生に対してフォローしたりする教員もいるのだが、多くの教員がただただ丸投げしてきたのを見てきた。そして一番問題なのは、ラボの実情を知らない人からすれば「そのボスは国費留学生を無事育てた」というボスの実績にすらなるということ。そしてまた新しい外国人留学生がやってくる。

もはや負の連鎖である。

この負の連鎖を断ち切るにはどうしたらよいのか?個人的には外国人留学生の世話をするのをすっぱりと辞めてしまうのが一番だと思っている。その外国人留学生には申し訳ない気持ちが残るかもしれない。日本人は冷たいと思われるかもしれない。しかし、そこで断ち切らないと被害者は増える一方なのだ。

ただ問題は、ここですっぱりと断ち切れない優しい学生さんや、やはり教授の言うことに従わないのは...と従ってしまう学生さんが少なくないことだ。気持ちはわかる。わかるだけに、いったいどうしたらいいのか?答えが見つからない。