「xxxの場合はご返信下さい」メール
「xxxの場合はご返信下さい」というメールを受信すると複雑な気持ちになる。メールの送信者はメールが届いていない、あるいは読まれていない可能性を考えているのだろうか?つまり受信者が「xxxの場合」にもかかわらず何らかの理由でメールを読めなかった場合、送信者は返信が無いため「xxxの場合ではない」と考えて、仕事などを進めてしまうことがあるからだ。
研究室でありがちな具体的な例を挙げると、
「xx日の飲み会に参加できない方はご返信下さい」
「xx日の飲み会に参加できる方はご返信下さい」
という類いのメール。どちらもトラブルとなる可能性を大いに秘めている。
例えば前者の場合「返信がない = 参加の意思表示」と送信者は勝手に解釈してしまう。もしメールを読んでいない人がいる場合、当然返信は無いが、飲み会の情報すら知らないまま送信者に出席扱いされてしまうのだ。そして最悪の場合、出席人数以上に予約してしまい、キャンセルがきかず、結局お金を余分に払うはめになる。
このような場合、必ず出欠どちらかを聞かなければならない。相手からの意思表示を以てして始めて連絡が成り立ったと考えるべきである。
あるいは、念押しとして直接の会話や電話などでもう一度確認するべきである。しかし、これをするとメールで送信するメリットが激減である。
私の関与する学生には上記のようなことをアドバイスするが、驚くことに教員でもこのようなことをする人がいるのである。メーリングリストだったりすると、読まないことも多々あるので大変なことになる。というか、まさに懇親会で最悪のケースになった例がある。
どうかメールを送る際には、相手のことと様々なケースを想定して送ってもらいたいものだ。
スマホは研究革命ツール
スマホは研究、特に生物学実験において革命的なツールである。今の自分の実験などはスマホなしではありえないと言っても過言ではない。
良質な写真や動画が簡単に撮れる。
ほぼこれに尽きる。写真や動画が簡単に撮れるので、ちょっとしたメモ代わりや簡易的なゲル撮影も可能。人に言葉ではうまく表すことのできないトラブルを伝えるときも、写真を見せれば解決することも多々ある。人に実験を教えるときにも、百聞は一見にしかず的実験方法を伝えやすい。あと少し頑張ると通常の顕微鏡の写真も撮れる。ちょっとしたディスカッションなどには十分なレベル。
タイマーが使える。
タイマーがないときでも、例えばiPhoneならSiriにタイマーxx秒といえば勝手にカウントダウンを始めてくれる。45秒の大腸菌のトランスフォーメーションのときにタイマーがなくても、iPhoneならSiriに頼めば一発である。
声も簡単に録画できる。
ちょっとしたメモを音声で簡単に残しておける。筆記できないときでもメモを残せる。いちいち書かなくて良いので楽。後で自分の声を聞いたときの違和感は半端ではないが。
ちょっとした待ち時間でのネット接続。
例えば2分の待ち時間、自分のデスクに戻るのが面倒なときでも、iPhoneでメールチェックや情報収集できる。あるいは論文をPDFなどとして入れておき、ちょっと読むこともできる。
どこでもメールが可能。
スマホによって人が奴隷に、といったようなことを言う人もいるようだが、スピード勝負の研究にはいつでもメールができることは本当にありがたい。30秒の待ち時間ですらチェックできてしまう便利さ。
PubMedとGoogle Scholarの使い分け
論文検索サイトはたくさんあるが、最も多くの人が使うのがPubMedとGoogle Scholarであろう。PubMedの単数形か複数形かで検索結果が変わるというクソみたいな仕様は置いておいて、どちらもとてもお世話になっている。学生はどこかの講義か実習かで論文検索サイトとしてPubMedを習うらしく、私がGoogle Scholarを使っていると、どうしてGoogle Scholarを使うのですか?と聞かれる。おそらく多くの生物学、医学者はその理由を知っているだろうが、ラボで聞きたいことも聞けずにこっそり検索する学生達のためにこのブログに記しておく。相も変わらず教育者の鑑である。
私の場合、Google Scholarが好きなわけではなく、PubMedと使い分けている。
PubMedの特徴
- とりあえず昔から使っている安心感(昔とレイアウトなどは変わったが)がある。
- Abstractで表示すると、検索でヒットした論文のabstractを同時に見ていけるので、情報のスクリーニングが楽。
- 検索が厳格(例えば単数形と複数形で結果が変わってくる)なので検索漏れというか、調べたい論文がヒットしないこともある。
Google Scholarの特徴
- 論文の全文が検索対象となっている(多分)ので実験の方法(methods)を調べやすい。
- abstract表示機能が無いので、いちいちヒットした論文をクリックしないといけない。
- PubMedよりサイトが軽い。
- 検索漏れが少ない。
- 検索ノイズが多い。
PubMedとGoogle Scholarの使い分け
私はとりあえず実験方法以外の調べ物はPubMedで、実験方法はGoogle Scholarで調べている。さらにPubMedでは不十分と思ったときにGoogle Scholarを補助的に使っている。しかし、Google Scholarは上記の通り検索ノイズも多く、莫大な数の文献がヒットするため一つ一つ文献をスクリーニングする気がなくなる。
Google Scholarが始まった頃にはいつかGoogle ScholarがPubMedに取って代わる日が来るのではないかと思ったが、どうも使い勝手がいまいち(例えば一度に最大20までしか表示できないこと、abstractを同時に見ることができないことなど)で、まだまだPubMedに取って代わる日は来ないようだ。
ミニマリストに対する純粋な疑問
最近、ブログとTwitterを始めて気になったのが「ミニマリスト」達である。その呼び名のダサさはさておき、物を極限まで減らしたい人達のことである。彼らが目指しているところが何なのかは知らないし、知ろうとする気すらない。しかし、すぐに部屋が散乱して、ラボのデスクの上も1ヶ月に1回は大掃除が必要となる自分としては物を減らしたい気持ちはわからなくもない。
しかし、ミニマリスト達のブログ等を拝見するとあまりにも極端に物の少ない人ばかり。私が考えているミニマムとは遠く離れた「法に触れずに(全裸にならずに)生きていく最低限」の生活レベルしかできないという物の少なさっぷりである。大きなお世話だが、本当にそれでいいのか?生活できるのか?と心配になるレベルである。
ちょっと興味が出てとあるブログの過去を追ったところ、その人はミニマリストになるために断捨離(この言葉は知っていた)を行っているようである。かなり豪快な物の捨て方である。自分の場合、段ボール箱やビニール袋ですら捨てた後に必要になる法則があるのだが、ミニマリスト達はどうやってその危機を乗り越えているのだろうか?段ボール箱やビニール袋の代替となる何かを探してくるのだろうか?まさかもう一度買うのだろうか?
どうも私にはミニマリストの素養は皆無らしく、疑問ばかりが沸いてきてしまう。
さて、幸いにしてラボにはミニマリストがいない。大掃除のときに、自分が使わないからといって私が多用する試薬を勝手に捨てようとしたり、私が多用する器具を使わないコーナーに片付けてしまう人はいても、ミニマムにしようという人はいないので助かった。ミニマリストがラボにいたらえらいことである。